養分

試練与えては試す神たちをいつの日か超えてゆける

BRM422東京400 富士山スカイライン

2017 BRM422東京400 富士山スカイライン | ランドヌ東京 Randonnêurs Tokyo

なぜ初めての400kmブルベをこんな山岳コースにしてしまったのか。

 ■ 自宅 ~ Start
1時間前に出発した同日開催の東京600関東一周の参加者とすれ違いながら中原街道を南下する。600km走ろうという大量の変態を眺めつつテンションが上がる。まあ400kmも一般の方からみたら相当おかしい。

 ■ Start とどろきアリーナ前 ~ PC1 セブンイレブンあきる野戸倉店 (48.6km)
上述の600kmにエントリしている方が多いからなのかこちらは30名程度でのスタート。
序盤は府中街道から百草園駅前を抜けて八王子検車場から河川敷の細い道に入っていくブルベでよく使う道、なんだけど今回の向きで走るの初めてで微妙にミスコースしてしまった。毎度思うけどスタッフさんはよくこんな道見つけてくるね。
武蔵五日市駅前からは都民の森を攻めに来た方々にブチ抜かれたりしつつPC到着。ここまで(この区間だけ)は平和。

 ■ ~ PC2 セブンイレブン都留井倉店 (107.2km)
まずは第一関門甲武トンネルへ。上川乗までが記憶してたより長くて精神的には甲武トンネルよりこっちの方が疲れたかもしれない。上川乗の分岐からは初めて走る道だったけど3km程度と短くてそこそこの斜度はあったけどなんとかクリア。前方を走っていた方々は自分より速い速度で談笑しながら走っていて格の違いを感じた。
甲武トンネルから上野原まで一気に下った後の秋山村へ登り返しが結構つらくて、秋山街道に入ってからも後遺症からかスピードが上がらず這うように進行。王の入りまんじゅうは気が付いてたら通り過ぎてて泣いた。

 雛鶴神社の雰囲気は割と好き。ここから新雛鶴トンネルへのラストスパートという感じになるポイント。
トンネルから先は珍しく向かい風が吹いてなくて快適な下りだった。

■ ~ 通過チェック ローソン御殿場中畑店 (154.1km)
都留バイパスを抜けR139を登った先は2週連続の鐘山通りからの山中湖。先週は死にかけてたのを思い出し今日はまだ昼間だから楽だろうとか思ってたら向かい風でやっぱりダメだった。山中湖湖畔の平坦区間に入っても風は収まらず、籠坂峠を越えてからの下りでも向かい風は変わらないどころか標高が低くなるにつれ路面がウェットというか水が浮き始める。気温も急激に下がり始めついに雨が降ってくるという状況で通過チェックに到着。
これから富士山スカイラインを登るのは本当に無理なんじゃないかと思い本気でDNFを考える。

 ■ ~ 通過チェック サークルK由比町屋原店 (211.9km)
やめるならここしかない、と思いつつカップうどんと温かい紅茶で体を温めて富士山へ向かってスタート。しばらくは非常に見通しのいい直線で、数分前に出発したであろうお友達がはるか前方に見え早くも気持ちが折れそうになる。
その後もまとまった雨が降ってきたり、マシンガンや砲弾の音が聞こえてきたり(富士山スカイライン陸上自衛隊富士演習所の真ん中を突っ切る)「只今の気温 6度」と表示された電光掲示板の攻撃を受けつつも無事に五合目分岐に到着。

17.5km / 平均斜度5.3% と傾斜的にはそうでもない感じはあるものの、とにかく長くて道の両側は林で景色は全く変わらない(晴れてると富士山が見えるのかもしれない)のでどちらかというとメンタル面をいじめてくる坂という印象。
分岐からは豪快なダウンヒルと思いきや霧が出ていて10m程度しか視界が効かない状態に。ガードレールがない区間が多く、コースアウトすると崖下に向かってマグナムトルネードを強制されるか林に突っ込み木立と仲良くなりリアル人柱になるかの二択で、白線を確認しながら慎重に下る。
富士宮市街地に差し掛かかると霧も晴れ、あとはちょっとした丘を越えたら駿河湾に出て通過チェックのサークルK、のはずが前方には山しか見えない。
豪快にミスコースしたかと思いキューシートとGPSを念入りに確認するも特にルートからは外れていない様子、というか御殿場の通過チェックから由比まで曲がる箇所はR1に入る交差点の1か所しかないので間違えようがない。
絶望しながら7~8%の坂をヨレヨレで登る。最近は「それなりにキツイ斜度でも距離が短ければなんとかなる」という気持ちで登坂することが多かったけど脚が残っていない場合はどうしようもない。
ピークを越えてからはそれなりの下り坂にもかかわらず速度が低下する程度の風が吹き付け死に体で通過チェックに到着。参加者に謎の一体感が生まれてくる頃で、休憩していたお友達に温かく迎え入れられ少し気持ちが軽くなるも、まだ半分しか走っていない事実に気付いてしまう。

 ■ ~ PC3 ミニストップ熱海梅園店 (272.2km)
ほぼ同時に出発した方と2人パックで進行。「久しぶりの平坦ですね~」などと談笑しながら風にも恵まれ東海道を東へ駆け抜けていく。景色も信号も変わらない千本松原を抜け、三島からは最後の峠熱海峠(10.1km / 5.0%)に挑む。
「峠まだですかね~」
「あそこ平坦じゃないですか!?(暗闇で平行感覚が失われている)」
「やったー!」
「あれ…まだ登ってませんかこれ……」
「そうですね…」
なんてやりとりを数回繰り返しながらようやく峠にたどり着くも山の向こうは雨。10%を越える坂を下りながらこの先の天気について思いを巡らせながらPCに到着。
PCではイートインで7、8人くらいで仲良く夜ご飯。30人しか出走してないかつ270km走ってきたのに同じタイミングでこんなにお友達がたくさんいるのは面白い。でもすごく安心する。

 ■ ~ PC4 ファミリーマート湘南国際村店 (350.1km)
熱海から先は走り慣れた道で時間もかなり余裕があり完走の二文字が見えてきた(フラグ)
PC付近で降っていたのは通り雨だったようで伊豆山に入るころには雨も上がるも、根府川に差し掛かるあたりで海からの暴風が吹きつけるようになる。
まあ雨が降るよりはマシかなと思ったのも束の間、小田原あたりから再度降り始めた雨は大磯でR134に入る頃に本降りに。天気予報を信じて雨具を持ってきておらず(そもそもレインウェアと呼べるものを購入していない)撥水加工のウィンドブレーカーもあっけなく水没し全身ずぶ濡れになる。
普段なら快走路のR134も雨と冷えで全く踏めず、茅ヶ崎で命の危機を感じ近場のコインランドリーに駆け込む。
暖房の効いた無人の店内で人間の尊厳を失わない程度にウェアを脱ぎ捨てドラムに放り込み、暖房の効いた店内で生きていることを実感。
雨雲レーダー通り雨は1時間ほどで上がり、乾いた温かいウェアを着込んで再スタート…なんだけどまだ寒い。それもそのはず、後日調べたところこの日の夜中から朝にかけての気温は10度前後。濡れてなくても寒い。

参加者のブログなどを確認したところどうもこの区間で心が折れかかったりあえなく折れてしまった方が多数いらっしゃったみたい。やっぱり自転車はメンタルのスポーツ…

 ■ ~ Goal セブンイレブン川崎二子店 (403.6km)
見知った土地+雨が上がった+夜が明けたことで緊張の糸的なものが切れてしまい10kmごとに歩道に上がり立ち止まって寝る、みたいなことを繰り返しつつゴール。最後の府中街道の6kmは永遠に思える程度には長く感じた。

 ■ まとめ
・ブルベの 400km は 200 や 300 とは完全に別物。天候も含めてあらゆる事態に備えた装備をしないと死が見える。
・24時間営業のコインランドリーは神
・ブルベに出るならちゃんとしたレインウェアを買いましょう
・R東京のスタッフさんありがとうございました。

 

走行距離:406.88km
走行時間:19h 30m 36s
平均移動速度:20.9km/h
獲得標高:5012m