養分

試練与えては試す神たちをいつの日か超えてゆける

CANYON Ultimate CF SL 9.0 その2

crumblingdn.hatenablog.jp

 ブルベとかレースとかも走ってそろそろ 5000km くらい乗ったので印象を書くよ。
なお比較対象が Centurion HYPERDRIVE 500 2011年モデル(SORA/2300 のミックス。ホイールは MAVIC AKSIUM)という激重エントリーアルミロードなので、先に要点をまとめてしまうと「カーボン軽い!キシエリ速い!アルテグラすごい!」になるよ。

 

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■ CANYON Ultimate CF SL 9.0【2017】
コンポーネントSHIMANO ULTEGRA 6800
ホイール:MAVIC KSYRIUM ELITE
2018年モデルだと 8.0 扱いになるっぽくて、コンポが8000系アルテになってたりホイールがレイノルズになってたりする。

初期状態から変えたのは以下
・タイヤ:Continental grandprix 4000S2
1000km くらいは付属の MAVIC YKSION PRO で走ったけど峠の下りで滑ったりすることが多かったのでみんな大好きコンチネンタルに交換。交換後は安心して攻めることができるようになったしこれで高耐久というのが良い。
MAVIC ホイールはいいのにタイヤは本当に…

・チューブ:Panaracer R'AIR
何年も使ってるこちらに変更。たまに普通のブチルチューブ触るとその分厚さと重さにびっくりする。耐久性がどうのみたいなのをよく見かけるけど5000kmくらいは余裕で持つし、去年は前後輪1回ずつしかバーストしなかった。
5年くらい使ってて初期不良にあたったことは1回もないんだけどマジでみんなどういう使い方してるの。

・サドル:VELO VL-1535
いつどこで買ったか覚えていないレベルの謎サドル。付属の FIZIK ANTARES R5 はかっこ良くて軽いし良く撓っていいサドルっぽかったんだけど、座面が固いのが合わなくてこれを前の自転車から移植。
重いし座面の布を止めてるホッチキスは見えてるし安物感が半端ないというか3000円くらいだから実際安いのだが自分の尻にはこれがベスト。

・ペダル:SHIMANO PD-M530
普通に歩きたいのでSPD派。以前は片面フラットのタイプにしてたけど、フラット面を一切使わないことに気付いたのでこちらに変更。シンプルな形状で目立たないし、両面なので嵌める際に足元確認する必要がなくなって楽。その分片面式と比べて重量が増えているけど今のところ気になってはいない感じ。

■ 平地
フレーム、コンポ、ホイールの性能が格段に上がっているのでまあとにかく加速は早いし巡航速度も上がるし乗り心地もいいで文句の付けどころがない。
同じ CANYON の Aeroad と比較すると、あちらは直進性能というかバイクを倒しても直立しようとするような感じがあって、踏んだ以上の推進力的なものが働いているような雰囲気がある。
Ultimate は踏んだ分だけしっかり進む、倒した分だけしっかり曲がるというこちらが意図した操作を確実にこなしてくれてるようなイメージ。目立って何かがすごいというわけではないけど、全体的にハイレベルなものを感じた。
タイヤが固めなので突き上げはそんなに変わらないのかもと思ったけどしっかりと衝撃をいなしてくれてる感じがする。乗り心地に関しては CANYON のシートポストも関係してそう。

個人的にはこれで十分乗り心地いいと思うんだけど、どうも Ultimate は硬めのフレームらしいので柔らか目のホイールに乗るとマイルドになるとのこと。先日友人のホイール(SHIMANO WH-9000 C50 / Michelin PRO4)と交換して走ったら別の乗り物になった。キシエリが硬いと言われているのを理解。硬いけど青ハブと青ニップルがくるくる回って青い回転体に見えるのはカッコいい。

■ 上り
フレームが軽くなった分楽になり軽快にダンシングをこなせるようになった。
その日のコンディションの差があるので一概に比較はできないけど、名古木スタートヤビツのタイムが48分→44分になる程度。逆にいままであの激重アルミでよく登ってたなという気持ち…
初めてダンシングをした際は軽すぎて自転車が振れ過ぎるくらいの感覚があったけど、乗ってるうちに慣れた。

■ 下り
下りは以前から得意だったのでそんなに違いは感じず。狙ったライン通りに曲がることはできているので下りでも優等生的な挙動っぽい。
あとは制動力が格段にアップしたので安心感も大分上がった。SORA と同じ感覚でレバーを引くと身体が吹っ飛びそうになる。ただ YKSION のグリップが本当にアレなのでタイヤはすぐ変えましょう。

■ その他
もう半年以上経ってるけどいまだに正しい?乗り方がよくわかっていない。前述のとおり踏めばその分進むんだけど、ロングやブルベなどで後半に向けて脚を残したい場面でゆっくり進むことができない。こまめにサイコン見ればいい話ではあるんだけど、感覚に頼って 30km/h 巡航しようとすると気が付けば 35km/h くらいまで上がっていて、脚が吸われていく感じがある。フレーム要因なのかホイール要因なのかはわからない。「吸われる」という表現の通りしっかり脚にダメージが返ってくるので後半はタレる。

コンポーネントって大事だなという当たり前のことに気付いた。一番実感しているのは変速機能で、リアはもちろんのこと、フロントシフトアップ時に SORA では「ガガガガガンンンァァァアアアッ」みたいな気合の入った音を立て、変速完了まで2秒程度レバーを倒してる状態を維持する必要があったのが ULTEGRA では一瞬でコツンと音がする程度。初めて操作した際はあまりにもスムーズ過ぎてちゃんと変速されているのか目視してしまった。メンテをちゃんとしていなかった説もある。

走りの質とは無関係だけど、全体重量が比べ物にならないくらい軽くなったので輪行がめっちゃ楽になった。肩に紐が食い込んで痛い想いをすることもなくなり(以前はあまりにも重いのでタオルを肩パッド代わりにしていた)みんな軽々と自転車を担いで階段をすいすい登っていくのをようやく理解。駅から自宅まで20分歩いても平気!
ただ、取り回しの関係で普通サイズのエンド金具(オーストリッチの旧型とか)だとリアディレイラーのワイヤーが地面に接触してしまう。オーストリッチ新型やスルーアクスル向けの片持ち式などの背の高いエンド金具を使いましょう。

■ まとめ
・カーボンフレームは軽い
・キシエリはすごい
アルテグラもすごい

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BRM128東京200 真鶴半島

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寒い日に走るとボトルが凍るよ

 

■ ~ Start とどろきアリーナ
前週に大雪に見舞われた関東。さすがに1週間経てば雪も…と思っていたら自宅の周りですらまだまだ残っている上、陽が当たらない道はスケート場になりそうなレベルで凍っている。
当日の予報は天気こそ良いものの最高気温は5度、最低気温は余裕の氷点下で、コースよりも寒さと路面凍結との戦いだなと考えていた。

 

■ Start ~ PC1 デイリーヤマザキ 平塚北豊田店 (47.1 km)
末端冷え性の自分でも冬場指先が冷たくならない装備(SHIMANO インサレーティッドグローブ + montbell ジオラインL.W.インナーグローブ)が全く通用しない寒さ。さすがに-5度は無理。そんなに寒いのに自転車乗るなよという話ではあるが。

暖まらないとマズいと思い、中原街道のクソみたいなアップダウンもとにかく気合入れて踏んで強度高めで進行すると、1時間もしないうちに身体が暖まり指先の感覚も戻ってきた。
全然喉乾いてないけど脱水怖いし一応飲んどくか~とボトルを握るも何も出てこない、というかボトルが固い。振ってみるとシャリシャリと音が聞こえるので、蓋を開けてみるとシャーベット状のものが見えた。寒いのを見越して常温の水に粉を溶かしたんだけど意味がなかった。というか信号停止多いとはいえ走行中は振動も伝わってるはずなのになんで凍るんだ…

ボトル凍結に気付いたところで本日の目標が「真鶴でおいしい海鮮的なものを食う」から「陽が落ちて寒くなる前に帰って温かいところでぬくぬくする」に変わる。

 

■ PC1 ~ 通過チェック ケープ真鶴 (87.0 km)
PCでホットドリンクを買うも、おにぎりを食べてる間にコールドドリンクになってしまった。なおボトルはまだ凍っている。かなしい。

PC1からは引き続きR東京おなじみの道で海沿いに出て R1~小田原~R135 と繋いでいくコース。何度も走った道なので今更特に…という感じ。
車のためなのは分かってはいるんだけど、R135の白線は凸凹が施してある箇所がとても多くてかなり気を遣う。あれがなかったら海沿いで景色が良くて適度にアップダウンのある快走路なんだけど元有料道路だし仕方なしという感じ。

真鶴駅前で左折し、本コースのメインイベントである真鶴半島へ。今回唯一初めて走る部分でもある。
確か真鶴岬は丘の上にあった気がするとか考えていると道はどんどん高度を下げていって港まで下りてきてしまった。もしかしてそんなに高いところまで登らないのかなと思う間もなく目の前に九十九折が出現。0.9 km / 7.8% 最大11%くらいで単体だと大したことない上りなんだけど心の準備ができていなかった。
真鶴半島は路面はそこそこ綺麗で、シーズンや時間帯にも因りそうだけど車が少なくて良い道だったような気がする。そこそこ標高差があるので真鶴周回は結構いい練習になりそう。

 

■ 通過チェック ~ PC2 ミニストップ 葉山御用邸前店 (151.4 km)

 

真鶴岬からの景色は素晴らしいものがあった。この日の空は分厚い雲に覆われていて、晴れてたらもっと良い景色なんだろうなと思いながら復路に入ると顔に何かの粒が当たって痛い。歩行者は傘を差しているのを見て雪だと悟った。寒いよ。

幸い路面がぬれることもなく雪の区間はすぐに抜け、R135~小田原~R1~R134とひたすら海岸線をなぞって東進。日曜のお昼時ということもあってランドヌールではない自転車も多く、R134では知らない人と無駄に引き合いをしてしまう。「自分はもう100km以上走ってるしそんな力残ってないんだ…」と脳内で負け惜しみを垂れ流しながら数人の背中を見送った。速い人は長距離走っても速いのだが。

 

■ PC2 ~ Goal 川崎市総合自治会館 (200.7 km)
葉山から田浦に抜け、富岡でR16に入り東神奈川からはR1で帰っていく定番コース。この辺は(というか真鶴からずっとだけど)去年の400kmブルベの終盤とほぼ同じルートで、雨上がりの真夜中で死にそうだったつらい記憶がよみがえる。当時は磯子~横浜の信号地獄が本当につらかったけど、明るい + 脚が残っている状態だと特にそんなことはなかった。
つらかったのは八景島付近で、顔に何かが当たるのでまた雪かなと思っていたが霰だった。霰がヘルメットにバチバチ当たる音が怖い。

その後は特に何もなく、予定通り明るいうちに川崎市総合自治会館に到着。ゴール受付と同じフロアで地元の中学生が音楽コンクール的なヤツの練習をしていて、次々とやってくる反射ベストのお友達を奇異の目で見ていたのが印象的だった。

 

■ まとめ
最初と最後の 30km ずつ以外はほぼ一人旅だったのでブルベ感が希薄で、とにかく踏みまくってたので追込みトレーニングみたいになってしまったけど、これだけの強度で平坦 200km 走れるのがわかったのは収穫。自分でもこんなに速く完走できるとは思わなかった。幸先がいい気がする。
今年はSRとれるように頑張りましょう。

・寒い日に自転車に乗ると風邪をひく
・カルピスは寒い日でも凍りにくいらしい(スタッフさん談)
・先頭集団にいるとPCのトイレが混まない
・R東京のスタッフさんお世話になりました。

 

走行距離:204.3 km
走行時間:7h 56m 06s
平均移動速度:25.7 km/h
獲得標高:1181 m

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BRM1028東京600 ぐるっと安曇野

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台風の日は自転車に乗らずおうちにいましょう。

■ ~ Start とどろきアリーナ
10月は週末雨ばかりだったので自転車に乗るのは4週間ぶり。この週も雨というか台風が接近している。1か月も乗っていないと身体が重く、いつもなら疲れていても軽快に進める中原街道のアップダウンに脚を削られている感覚がある。

とどろきアリーナに到着すると30人程のお友達の姿を確認。エントリーはおよそ100人なので3分の2が DNS したみたい。ここにいる残りの3分の1は台風が迫る中 600km 走り出そうとしている頭のおかしい人たちである。

ブリーフィングにて
スタッフさん「ちなみに今日SRかかってる人~?」
「はーい」(10人くらい)
スタッフさん「……頑張ってください」

「この天気なのにマジかよ」というスタッフさんの何とも言えない顔と参加者の軽いザワつきが印象的だった。なお自分も挙手した側である。SRがかかってなかったら今頃はベッドでぬくぬくしてるはずなんだけどな。

■ ~ PC1 セブンイレブン青梅畑中3丁目店 (51.3km)
府中街道だったり百草園を抜けたり多摩川沿いに西進するいつものコース。改めて地図を見ると、目立った遠回りナシに多摩川を1回も渡らず綺麗に右岸を遡上してて完成されたコース感がある。
拝島橋の手前を折れたところにある野球場周辺では、前週の台風による水没痕が至る所に残っており水害の威力を感じた。あんまり雨が降らないといいなあと思いつつPCに到着。

■ ~ PC2 ファミリーマート児玉店 (118.5km)
青梅から飯能に抜け、飯能からは関東平野西端を北上していくどの団体主催のブルベでも良く使われる道。といいつつも青梅飯能間は初めて走るコースで、交通量と信号が少なくて走りやすいなという印象。

越生からは笛吹峠を抜けていくパターン。標高80mだし正直何が峠なのかという感じの短さで、史跡なので峠って名前付けておくか~感があった。連光寺坂のほうがつらい。

PCに到着すると、序盤から近いペースで前後していた方が自分の自転車を見て「来年CANYON届くんですよ~」と話しかけてきた。Ultimate SLX を注文したとのことで、自分の場合は注文から4日で届いてしまったことや、「Ultimateのここがエロい」などと話に花が咲いた。

ここがエロいとのこと。わかる。

越生あたりで若干天気が怪しかったものの、このあたりでは特に雨の気配はなし。このまま無事に軽井沢まで行ければ今日はなんとかなりますかね~などとワイワイ会話していたが、ただのフラグだった。

■ ~ PC3 ファミリーマートヤオトク軽井沢店 (182.3km)
イメージだと群馬県入ったらすぐ富岡でちょっと進んだら横川について碓氷峠が始まる、と思ってたけど実際は横川まで50kmもある。ふしぎ。

神流川沿いから富岡まで抜ける道に予想外のアップダウンがかなりあって脚を削られる。PC出発直後に「牽きますよ!」と元気よく先頭交代してくださった方はとっくの昔に見えなくなっている。
R254に入った頃に降ってきた雨は上州富岡駅付近で本降りになり「ここでDNFするのもアレだし軽井沢まで行ってから考えるか」とかなり弱気になっていた。

まだ序盤なのにコース外れて写真撮りに行ってるあたり心が折れていることが伺える…

どんどん強くなる雨と横川に向けて地味に上がっていく斜度。おぎのやで休憩しているお友達を数名見かけたものの、今屋内退避したらそこでやめてしまいそうと思い碓氷峠に突入。

天気が天気なので休日なのに交通量が少なく、峠道らしい静かな雰囲気を味わうことができたがとにかく雨が強い。しかもウェアの選択(ミズノ ブレスサーモ + SHIMANO サーマルウインタージャージ)をミスったのか、レインウェアを着て登坂すると汗が止まらずウェア内が汗で水没するのではと思うレベルで暑い。

「寒いよりはマシだし寒くないなら軽井沢からのダウンヒルも行けるのでは?」と謎のポジティブシンキングを発揮するも碓氷峠から軽井沢駅までのダウンヒル(標高差20m)で一瞬で身体が冷えてしまった。ついでに気持ちも冷えた。

 ■ ~ 軽井沢駅【DNF】
ぷるぷる震えながらみんなはどんな様子かな~と確認すると、やはり何名かはここでDNFするとのこと。気温は6度で傘がないとずぶ濡れになる程度の雨量、ここから50km先のPCまでは下り基調で身体が温まることもなさそう…とか迷っている内に更に身体が冷えてしまってDNFを決意。夜でも下りは好きだけど雨の下りはマジで怖い。
先へ進むお友達の様子を眺めていると、顔以外はレインウェアで完全防備で今から除染作業にでも行くのかというくらいの格好をしている方がたくさんいた。

駅に向かわずに軽井沢座商店街に向かいミカドコーヒーのソフトクリームを食べた。おいしいのは間違いないんだけどクソ寒くて震えてるのにソフトクリームを食べてるのは今考えると理解ができない。

リザルトを確認すると完走者は8人。ただでさえ過酷な天気でDNF続出だった上に、2日目18時頃に連続雨量超過で道志みちが通行止めになったとのことで本当にサバイバルなブルベになってしまった。
年間出走本数は少ないけど一応SRを目指して頑張っていたので、天気がひどかったとは言え逃したのはかなり悔しい。また来年リトライするブルベが増えてしまった。

■ まとめ
軽井沢は寒い
・寒い時期の雨対策が本気で分からない
・寒くて雨が降ってても生足で走ってる人はいる
・R東京のスタッフさんお世話になりました

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第7回GSRカップ

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ロングライダーが耐久レースに出ると死ぬ(個人差があります)

 

9/9 に実施された第7回GSRカップに参加しました。オタクなので。

エントリーしたのは2時間耐久ペア男子。クローズドの環境というかサーキットで走るの初めて(そもそもブルベ以外の自転車イベントに参加したことがない)なので最初は一番ゆるそうな種目にしようということで2時間を選択(全くゆるくなかった)。

 

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会場の袖ヶ浦フォレストレースウェイはこんな感じ。
ホームストレート(微妙に上り)→1コーナー→上り→2コーナー→長い下り→3・4コーナーの複合ヘアピン→上り→緩く下りながら5・6・7・8の高速コーナー→かなりRのキツいヘアピンの9コーナー→上りながら最終コーナーに入り1周という感じの約2.4km。
サーキットってアップダウンはない訳じゃないけど基本的に平坦でしょ、と思っていたらアップダウンしかなかった…。

 

■ 試走
アクアラインで渋滞にハマったりしたので着いたのは9時前。ピットエリア確保とか受付とか初めての作業に戸惑っているといつの間にか11時20分の試走開始時間を過ぎていた。この時点で空気圧の確認もしていなければドリンクも作っていない状態だったのであわてて準備したけど2週しかできなかった…

3か所ある上りがそこそこの斜度があって、特に2コーナーを頂点とした長い下りで加速してからの3・4コーナーの複合ヘアピンは気を付けないとコース外に吹っ飛びそう。でもそのヘアピンが終わるとまた上りが始まるので、いかにして下りの速度を殺さずに曲がり切って上りに入るかがカギかなという印象。
なんとなくR20の相模湖~上野原のようなカーブとアップダウンの連続だったのでどちらかというと好みのレイアウトではある。好みというだけで別に速度が上がったりするわけではない。

 

■ 1~3周目
1周目はパレードラン的なヤツなので先導車の後ろをゆっくり20km/hくらいで進むのかなあなんて想像してたら第1コーナーを曲がると既に先頭集団は100m以上先にいた。スタートで少し後ろの方に並んでしまったので先頭まで距離があったとは言え流石にこの開き方はヤバい。
いずれ着いていけなくなるにしても、いきなりタレて後方をウロウロは避けたいのでゆっくりそうに見えて余裕で30km/h以上出てる先頭集団を全力で追いかける。キツいヘアピンの9コーナーで速度が落ちるため必然的に追いついて「集団にいると空気抵抗なくてめっちゃ楽だなあ」とロードレースっぽさを実感したのも束の間、ホームストレートに向けて鬼のように加速していく集団。
いやこんなん無理でしょと思いながら必死に付いていくも、3・4コーナーからの登り返しで心肺が終了してさようなら。チームメイトと3周くらいで交代する取り決めをしていたけど、集団から切れた瞬間気持ちも切れて2周でピットレーンに入りたくなった。ソロになると 30km/h も出ない。

 

■ 7~9週目
ログを見る限り一番死んでた3周。脚が合う人が見つからずにソロで走っていると 30km/h 程度で走るのが精一杯で、途中で追いついてきた先頭集団をあっさり見送る程度には余裕がなかった。

 

■ 13~15週目
1周ほどソロで走っていると再び先頭集団が横を通過。今度はついて行ってみようと思い最後尾にジョイント、スリップに入るも速度域が高すぎて千切れそうになる。
このあたりから気付いたのが、上りはそんなに頑張らなくてもついていけるけど下りはみんな回し続けるのでかなり脚を使うということ。特に5~8コーナーの微妙な下りでガンガン速度が上がっていくのでここでタレると復帰は厳しい感じ。
空気抵抗を減らすため前走者の後ろギリギリに入りトニー・マルティンのように身体を倒すことを意識してようやく集団とペースが合う。彼のようにTTが速くなればいいがマルティンと同じなのは自転車のメーカーくらいである。

 

■ 19~21週目
30km/h 程度で走りながら先頭集団トレインに追いつかれるのを待機、抜かれ次第最後尾に入る完全なるコバンザメ走法を確立。もうかなり脚に来ていて、ギリギリ付いていけるものの時折ふくらはぎがもう無理っすというアラートを出すようになる(拳で殴って一時的にごまかす)
今思えばこんな状態で先頭交代回ってきたらどうなってたんだろうという感じだが、3周で交代なので先頭になる前に避難することができる。

 

■ 24~28週目
終了15分前からはピットレーンが封鎖されるので交代ができなくなるヤツ。食べ放題とかのラストオーダーっぽい。
最後だから頑張らないとって気持ちはあったけど身体が付いてこなくて、脚攣りと闘いながら騙し騙し走る。
3時間耐久のスタートに備えてなのかラスト2周くらいはモトが先頭で速度抑制していて、恐らくアレがなかったら集団から切り離されてた。

 

■ リザルト

 ソロで走ってる最中は常にブチ抜かれていた気がしていたので思ったよりも上位で終われてそこそこの満足感。27周走ってるのでグロスで 32.4km/h はあるんだけども優勝チームと5周差で単純に距離差が 2.4km×5 で 12km。2時間でこの差なので時速に直すと 6km/h も遅い。表彰台入りはまた来世。
終わってから気付いたけど、先頭集団を形成してた人たちはゼッケンの色的にほとんど5時間の部だったみたいで、単独走じゃないとは言え 40km/h 巡航を5時間続けるのはもうオタクどころか人間じゃないのでは…と思った。

 

■ オタク
GSRカップはオタクが集まるのでDJブースがあって、表彰式等がない時間帯は大体DJがオタクソングを流しているんだけど、荷物運びやらドリンクを買いに行く時などブース前を通るたびにブチ上がり系の曲が流れていて大変危険だった。走ったあとの疲労困憊の状態でも上がる曲は上がってしまうのでオタクは単純な生き物である。
少し距離はあるけど耐久レースの交代エリアまで音楽が聞こえてくるので自転車を放り出してオタクダッシュしたくなることもあり、SEVENTH HEAVENblack bulletRising Hope あたりが流れた時はコースではなくブースに走り出したい気持ちでいっぱいだった。
あるタイミングで隣で待機していた方(速そう)は、Shooting Star→Second Flight→sign がメドレーでかかった際に我慢できなくなりオタクダッシュをキメていて、また一人リアニの魔の手にかかってしまった…と思いながら自分は交代エリアに向かった。

 

■ まとめ
サーキットや集団内での走り方もなんとなくわかっていい経験になったし、当たり前だけどブルベとか普段のロングライドとは走り方を変えないと生き残れないということが分かった。(速い人はどちらも速い)
ただ単に各々オタクな格好をしてレースを楽しむだけでなく、先述のDJブースだったりプールだったり実況にサッシャさんがいたり片山右京さんや景山ヒロノブさんや東城咲耶子さんなどが参加されてて、レース以外の場所でも楽しめた大変良いイベントだったので次回もぜひ出場したい。

 

チーム名:ゆいゆいハンドスピナー
記録:27周(1:56:41.35)
個人走行距離:40.69 km
平均時速:35.7 km/h

 

BRM722横浜あおばスーパー400 麦草

www.vcraoba.yokohama

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スーパーヒドイ

■ ~ Start 大丸公園
新車(CANYON Ultimate CF SL 9.0)での初ブルベかつ初山岳コース。Ultimate が軽さを重視したフレームとは言え、いきなり峠に投入するのもアレなので前週に軽く碓氷峠で登りの感触を確かめに…行こうと思ったら暑すぎて熊谷の先でダウン。
ぶっつけ本番で山に投入することになった上に、ブルベ前日にサドルを変えたので大分アバウトなポジションになってしまった。バカなので。

そんな不安な気持ちでり大丸公園に到着するとたくさんのお友達の姿が。後でスタッフさんに聞いたところ、80人出走とのこと。トンデモランドヌールばかりだ…

ブリーフィングにて「復路は下り基調です」のスタッフさんの発言に一同苦笑い。「往路は獲得標高4000m、復路は2500mなので…」と補足があって、まあ折り返し地点の標高が1500mくらいだから理論的には合ってるなあと思いつつ自転車乗りの「下り基調」発言は信用してはいけないなあと再認識。

 

■ Start ~ PC1 セブンイレブン小鹿野バイパス店 (89.5km)
砂川、箱根ヶ崎を経由するいつものコースを淡々と進み、飯能河原から名栗を抜けて山伏峠を越えていく。
初体験の山伏峠(4.2km / 6.6%)は距離、勾配がちょうど良く、峠らしい雰囲気(展望はよくない)かつ飯能側は路面も綺麗で人気が出るのも納得。アプローチの名栗川沿いも信号が少なくて気持ちよく走れた。でも自宅から行こうとするとちょっと遠い。

 峠にたどり着くとこんな掲示が。あと341km!とか言われても距離感がわからない。励まそうとしているのか心を折りに来ているのか…

山伏峠を下りながら「このコースはまだ峠を7つ残している…その意味が……」といった天の声が脳内でハウリングし始め、そこそこ踏んでしまったことを後悔。
暑さに堪えかね秩父で休憩したりめんまを発見しながらPCに到着。

今回はコンビニで売ってる冷凍ペットボトルドリンクを背中に突っ込むヤツを試してみた。クーリッシュより冷却持続時間が長いのでこっちの方がいいかもしれない。難点はデカすぎて入れ方を考慮しないと首が起こせない、ペットボトルなので走りながら飲むのが大変、飲み終わってからの処理が少しめんどくさい、といったところ。

ちなみにこのコースは山伏峠を下って正丸トンネル入り口でR299と合流、折り返して戻ってくるまでの実に270kmの区間がR299なのでとてもわかりやすい。この先のコースも登りと下りしかなくてわかりやすい……

 

■ PC1 ~ PC1.5 道の駅上野 (121.8km)
小鹿野の街を抜けていくと、気が付けば周囲からは建物がなくなり、志賀坂トンネルへのアプローチ(5.8km / 5.7%)に差し掛かっていた。
こちらも序盤は1~2%の軽い登り、本格的な峠区間に入ってからはヘアピンで高度を稼ぎながら登るタイプで、交通量が少なく路面も綺麗だったので山伏峠と似たような雰囲気を感じた。

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やっぱり貼ってあった。奥ではスタッフさんによる給水ポイントが。有りがたい。

ぼく「結構キツかったんですけど、これでウォーミングアップっておかしくないですか!?」
スタッフさん「でも身体あったまったでしょ?」
ぼく「や、あったまるとかじゃなくて暑いです…」
十国峠や麦草峠と比較したら本当にウォーミングアップだった

志賀坂峠を下ると、群馬県に入り神流町から上野村へ。The 田舎みたいな雰囲気の中を順調に進んでいると、個人的休憩ポイントに設定していた道の駅に到着。PC1の2km先にあるコンビニ(復路の通過チェックにもなっている)からPC2までの70kmの間にコンビニが全くなく、反射ベストのお友達も多数休憩していた。というか少なくとも自分が休憩している間にここをスルーしていった人はいなかったような気がするので、実質通過チェックみたいになっていたのかもしれない。

 

■ PC1.5 ~ PC2 セブンイレブン佐久穂店 (162.3km)
ここからは1級山岳十国峠(15.2km / 4.9%)。国道なのに落石だったりで通行止めになることが良くある魔境。ブルベ前日まで落石通行止めだったらしい。
そんなところ通りたくないよと思いつつ、逃げるわけにもいかないので前進。砂は浮いてて当たり前、こぶし大の落石多数、全線ほぼ1車線で車のすれ違いが可能な箇所は稀、ついでに携帯電話は圏外で助けも呼べないので、アクシデントがあったら本当にヤバい。

整備されていないだけあって木々の生い茂り方も半端なく、木陰の中を走ることができたので暑さにやられることはなかった。が、やっぱりこれだけの斜度が15kmも続く上に木々の切れ目からも木しか見えず本当につらい。BTスピーカーから流れるオタクソングで気を紛らわすくらいしかできない。

高度計の表示が1300mを越え、だんだん空が開けてきた頃にようやく十国峠に到着。ここにも例のものは貼ってあったようだけど気付かずにそのまま気持ちよく下って行ってしまった。
その下りで蓋なし側溝に突っ込んでしまい落車。真っ先に確認したのは買ったばかりの自転車。バーテープ、後輪のクイックリリースとホイールが軽く傷付いたくらいで良かったが、ダンシングができなくなる程度に左手を痛めてしまう。
こんなんで残り250km、しかも麦草峠なんて登れるのか…とテンションがどんどん下がりながらPCに到着。10分程度遅れて入ってきたお友達は峠からの下りで大雨に遭遇したとのことで、全身ずぶ濡れになっていた。

 

■ PC2 ~ 折り返し通過チェック (200.7km)
超級山岳麦草峠(25.1km / 5.3% / 標高差1330m)
5%台という斜度だけ見るとそうでもなさそうな感じがあるが 25km も登りが続くのは拷問で 1300m も登るのは頭がおかしいのではと思ってしまう。

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麦草峠はこんな感じで標高100mごとに看板が立っていて、ここにもスタッフさんお手製の掲示が貼ってあった。序盤はこれに励まされ次の100mも頑張るぞ的な気持ちになり、休憩がてら全部撮影しようかと思っていたが標高1300mほどまで登ったあたりで降り始めた雨は間もなくどしゃ降りに。川のようになった道路を遡上し「俺たちゃシャケだ…」と死んだ魚の目になりながら、3時間かけてなんとかピークに到着。脚も痛いけどやっぱり手が痛い。
ちなみに登り始め 10km 程のところで先頭らしき方とスライド。あの、60km も差が付いてるんですが…

 大雨とか落車の影響であまり達成感がなかった。というかまだ半分も走ってないから達成感が湧かないのが普通なのかもしれない。

ピークから10km下って折り返し。気温を確認すると20度を切っていた。自分はレインウェアを着ていたので少し寒い程度で済んだが、寒さに耐えきれずに折り返しポイントでそのまま茅野方面にエスケープした方もそれなりにいたらしい。

■ 折り返し ~ PC2.5 セブンイレブン佐久穂店 (238.9km)
折り返し通過チェック。ブリーフィングでは写真撮影との説明だったが、またしてもスタッフさんが待ち構えていた。スタッフさんが要所要所にいらっしゃるというだけでなんか安心感がある。
が、やはり鬼畜コース。麦草峠から10km、標高差500m下ってきたのをすぐに登り返さないといけない。

既に雨は上がっていたが体温が上がらず、レインウェアを着たまま登坂したがそれでも寒い。気温は20度を超えることはなく、再度麦草峠にたどり着いたころには辺りは薄暗くなっており、ウェットコンディションでの25kmダウンヒルが始まった。道は綺麗でカーブも緩いので難易度はそうでもないが、さすがにこの距離は長い。

完全に身体が冷えた頃にようやく下り坂が終わり、PC2に設定されていたコンビニに再度到着するとそこにはたくさんのお友達。またしばらくコンビニないので考えることは同じか。標高が下がり気温は28度まで上がったものの、みんな寒い思いをしてきたようで各々温かいものを食していた。自分もカップラーメンで暖を取ってからリスタート。

 

■ PC2.5 ~ 通過チェック ローソン小鹿野飯田店 (310.3km)
復路で一番つらかった十国峠。峠区間に入るまでは広い2車線道路を1%程度の斜度で高度を稼いでいくので快適といえば快適なのだが、雨上がりということで道路に大量の小さいカエルが出現していて踏まないように進むのが大変だった。というか何匹かはおそらく…ごめんねカエルさん。
区間に入ると時折10%ほどまで上がる斜度、道路に散乱した枝や石、なにか良くないものが出るのではというくらいの暗闇で音楽を流していても心細い。

なんとかピークにたどり着くと、今度は恐怖の下り。往路で登っている最中ですら「夜にここ下るのやだなあ」なんて思うくらいで、実際に下りが始まると思った以上の斜度に荒れた路面、ウェットコンディションで効きづらいブレーキで本当に怖かった。峠の反対側だけど往路では落車もしてるし…
下りだけど精神的に落ち着かないので何度か休憩し、ようやく上野村中心部の街灯が見えてきた時はかなり安心感が生まれた。人はいなくても人工的な明かりがあるだけで気分は全く異なる。

志賀坂峠は復路ではそんなに標高差がないので、ゆるゆる登ってまたダウンヒル。往路の場面で書いたけど秩父側は道も綺麗で街灯もあるので十国峠とは一転してこちらは楽しい下りだった。

 

■ 通過チェック ~ Goal 大丸公園 (402.2km)
ここまで来たらあとは秩父まで下り基調で進み、山伏峠を登れば終わり。まだ90kmあるけど。
眠気が限界を迎えてきたので道の駅で仮眠をとり、最後の峠を登る。山伏峠本体よりも秩父から正丸トンネルまでの登りの方が気持ち的にはつらかったかもしれない。夜中に走り屋が爆走している横を通るのは怖い。。

そんなこんなで東京都に入り大丸公園に到着。ゴールしてから気付いたけど自転車がこの世のものとは思えないくらい汚れていた。十国峠許さない。

ブルベ完走直後は達成感よりも、もうしばらく自転車には乗りたくない、早く帰宅して寝たいという欲求の方が強く、こうして当日の様子を振り返っている時にふつふつと達成感が湧いてきて、楽しかった思い出へと美化されていく感じがする。
来年も開催されたら走りたいか、と言われると現時点では首をかしげてしまうが、こんなエグいブルベも中々ないと思うので都合が合えば参加してそう。マゾかな(マゾだよ)

■ まとめ
・山伏峠、志賀坂峠はウォーミングアップ
・フロントインナー36Tは神
・カエルを踏んだ後のダウンチューブ裏は凄惨
・VCR横浜あおばのスタッフ様巡回含めてお世話になりました

走行距離:402.6 km
走行時間:20h 32m 26s
平均移動速度:19.5 km/h
獲得標高:6256m

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CANYON Ultimate SL CF 9.0

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 買っちゃった

■ 購入手続き
当然だけどCANYON公式で注文。海外通販を利用する方はご存じのとおり、住所の記入方式が日本とは違う。
決済方法は国際送金もしくはカード利用。カード利用の場合は注文確定時に「コードが確認できたけどカード請求入るのは発送直前だよ」ってメールが届いた。
自転車の値段に送料+梱包+日本国内消費税が入るので3万から4万円くらいは余計にかかる。まあそれでも安い。

■ 配送
注文したのは6月下旬で「7月第2週頃に発送するね、発送から届くまでに2週間くらいかかることもあるよ」とのこと。
海外通販だし7月中に届けばいいな、くらいの気持ちで首を長くする準備をしようとしていたところ、注文から2日後に発送のメールが。

発送時期は目安っぽくて大体後ろにずれる、みたいな話を聞いていたので早すぎることに逆の不安を覚えつつメールに記載のトラッキングIDを1時間おきに確認するお仕事が始まる。
ラッキングIDはUPSのものが記載されており、ちゃんとUPSの追跡ページで確認ができた。UPSではない配送業者のIDが記載されてたりして、適当な仕事にブチ切れてる日本の皆様の反応を確認していたが今回はちゃんとお仕事はしている様子。まあ当たりを引いただけかもしれない。UPSって言われると無停止電源装置の方を連想してしまう。

幾度となく追跡ページを確認する長き日々が始まる…と思っていたらものの3時間でフランクフルトからケルンに到着した。ケルンはUPSハブ空港らしく、たぶんここで様々な処理が行われてしばらく止まるんだろうなあ早く着くといいなあと気を揉んでいると数時間後にはケルンを出発。その日のうちに深セン(中国)に到着し、翌日の朝にはもう成田にいた。マジで早い。
うわあもう日本まで来ちゃったよまあでも日本の税関厳しそうだししばらくストップするんだろうなあ等とウキウキする心を抑えきれずにいると、お昼前には「何時に持っていったらいい?」との電話があり、14時には配送が完了していた…。早すぎんか。
ちなみに、UPSは土日に配送をやらないとのこと。その代わり土日配達希望の場合はヤマト運輸に配送を移譲するとのことで一生受け取れずにドイツに送り返されることはなさそう。受取時に日本の消費税(もとの価格*0.6*消費税率)を支払った。

というわけで注文から4日、発送からはわずか2日で到着してしまった。国内通販かな?

■ 開梱

 でかE

縦横畳1枚幅30cmくらいの巨大ダンボールが届いた。サドル・シートポストと前輪、ハンドルは外れている状態で、後輪はとディレイラ―は装着状態。
各部品は傷がつかないようにウレタン?が挿入された状態で挟まれており、なおかつベルクロでしっかりと固定されていて、傷は全くなし。
上記のパーツ組み付けて終わりと思いきや、ステムの向きが微妙にずれてたりブレーキ解放してもシューがリムに接触したりした。「届いて10分で乗車」はやっぱりムリで、出会って3秒で挿入できるのはシートポストくらい。
ちなみにブレーキは日本仕様に組みなおされてて「右前ブレーキだから気を付けてね」って日本語の注意書きも貼ってあった。

という感じで調整を済ませたら快適な新車生活を楽しみましょう。防犯登録をするのを忘れずに。

■ まとめ
・割とすぐ届く(運が良かっただけな気がする)
・梱包もしっかりしてて安心(運が良かっただけな気がする)
・コブレンツは日本国内

なおこの記事を書いている最中に新型アルテグラ8000系の発表→6800系アルテグラ値段爆下げ→CANYONのアルテグラ装備の完成車も爆安、の流れが発生して鬱になった。ありがとうございました。

BRM610横浜あおば600 冷川峠

www.vcraoba.yokohama

この中に1人、シャーマンがいる!(1人どころではない)

 

■ Start 大丸公園 ~ PC1 セブンイレブン寄居赤浜店 (70.1km)
ブルベでよく使われるコースで序盤は市街地なので信号ひっかかりまくりだけど箱根ヶ崎あたりからは快走路でよく考えられたコースだねという以上の説明ができない。
ずっと追い風でかなり楽ができた区間。ちなみに 600km 走るということを忘れ調子に乗ってかなり踏んでしまったのでロングライド序盤でも知能は低いということが判明する。

PCでは27度ながらも日差しがガンガン照り付けてて体感30度以上はあったような気がする。まだ10時過ぎと早い時間帯にもかかわらず、アイスを食べたり水をかぶったりしているお友達を多数確認。クーリッシュを首の後ろに突っ込み溶けて来たら食べるヤツを試してみたところかなり快適だったので今後も活用したい。

■ ~ PC2 セブンイレブン中之条バイパス店 (145.2km)
引き続き追い風、というか更に風が強くなっていて 35km/h 切ったらもったいないよ的な心理になってしまいそこそこ踏む。その割に同時にPCを出発したお友達はおおよそ 40km/h でかっ飛んでいってしまったので小前田駅付近から早くもソロライドと化す。
この小前田駅の少し先でバックポケットから自然と何かが抜けて落ちていく感覚があって、ああキューシートか止まるのめんどくさいしまあいいや的な感じで進んでいたけど後のことを考えると何も良くなかった。前日に友人に借りた Edge1000J がなかったら終了してた。まああっても終了したんですけど…

藤岡市街地を抜け高崎駅前に差し掛かる頃には気温は30度超に。ボトルの水を被ってもぬるくて気休め程度にしかならない。
三国街道を北上していると、気が付けば追い風が止み微妙な向かい風に変わっていた。加えて1~2%程度の微妙な登りが地味に体力を削っていき、渋川からR145に入る頃にはちょっとしたハンガーノック太郎と化す。序盤とはいえ70kmおきのPC以外で休憩しないのはちょっと無茶だったみたい。こういう時に限ってコンビニも自販機も見つからなくて結局PC2手前10kmという中途半端なところで休憩。ファミリーマート小野上おおるり店は道の駅かスーパーか何かの大型店舗の居抜きっぽくて異様に広い店舗だった。

しばらく進んでPCに着くとお友達が大量にいて安心。ブルベあるある。でも到着が遅かったのか買いたかった食料が軒並み売り切れてた。ブルベあるある…
この時点で貯金は3時間弱。予定よりも30分先行してて、このペースなら石和温泉でしっかりと寝れそう。

と思ってた…

■ ~ 佐久平駅 (222.0km)【DNF】
さっきまで暑かったのにやたら涼しいなと思い気温を確認すると20度まで下がっていた。高崎までの暑さはどこに行ってしまったんだという気持ちとこのまま標高が上がったら凍えてしまうのではという不安に苛まれながら出発。なおこの日の防寒着類は薄手のウィンドブレーカー、レインウェア、普通のハーフパンツのみ。着用ウェア類は完全な真夏装備。なので耐えられるのはおそらく10度くらいまで(フラグ)。

中之条からも続く登り基調のアップダウン。原町から大津までは何度か走ったことがあって、景色と長閑な雰囲気はいいけどそこそこの坂が断続的に出現して脚にくる。

羽根尾で吾妻線とお別れしてからは文字通り本コースの山場であるところの北軽井沢への厳しい登り(20.0km / 3.7%)
最初の数kmは峠だねという感じのワインディング。勾配が上がり自分のスピードが落ちたところで後続3人が飛び出しアシストの気分を味わう(ついて行こうとしたら脚攣った)。
牧場、コテージ、林、しか出現せずまさに別荘地という感じで落ち着いた雰囲気ではあるものの自転車で登坂するには飽きる景色で、その上に時折10%まであがる斜度に苦しんでいると長野県側からこちらへ向かってくる車が濡れていることに気付く。天気予報では曇りのはずだが…と現実から目を背けようとしているとピークに近づくにつれ降り始め強くなる雨、濡れが激しくなる路面にどんどんテンションが下がっていく。
鬼押出しハイウェーとの合流部付近でピークを迎えると、下りは完全に水が浮いてる状態になり、身体に打ち付ける雨も痛いくらいの激しさに。ランドヌール雨雲を呼び過ぎ問題(*1)。
天気に関係なくPC2~PC3が100kmあるので軽井沢あたりで休憩しようかな、とは考えていたけどいくらレインウェアを着ていてもこの天候では進むのが躊躇われる。星野温泉のカフェでプリンを食べていても雨が上がる気配がないので思い切って温泉に入ることにした。

星野温泉は日帰り施設にしては高いけどその分綺麗で個人的には好き。この近辺の風呂なしペンションに泊まると大体ここに行けと案内される。
知らないおじいちゃんに「この雨のなか大変でしょ。どこまで行くの」尋ねられ、説明が難しいなと思いつつ伊豆まで行きますと返答したけど伊豆どころか長野県から脱出すらできなかったよおじいちゃん…

1時間半ほど経つと雨は弱くなりこれなら走れるかなという感じになったのでリスタート。気温は10度で、これ以上下がるようならDNFも考慮するけど軽井沢の標高が高いだけでしょ、と気にせず先を目指そうとすると、反射ベストのお友達が目の前を通過。信号で追いつきそうだしちょっと安心…してたら彼は中軽井沢交差点でR18に入らず直進して中軽井沢駅に行ってしまった。DNF現場を目撃してしまい持ち直しかけたやる気が再びしぼんでいく。

気を取り直して西へ向かおうとすると、視界がもやのようなもので覆われていることに気付く。アイウェアやライトを拭いても視界は曇ったままで、自分の吐息だったり体温で蒸気がでているわけでもない。
首をかしげながら追分交差点でR18から外れ、街灯のない区間に突入すると目の前が真っ白に。どう見ても霧です本当にありがとうございました。
視界が5mくらいしか効かない、しかも長い下り坂という割とどうしようもない状況になってしまったけど進むしかない。暗闇を照らすと真っ白という一見どこかにいざなわれそうな幻想的な雰囲気だけど、ハンドリングを誤ると本当に別の世界に連れて行かれるので神経を研ぎ澄ましながら下る。

佐久まで下ってくるといつの間にか霧は晴れていたが路面はフルウェット。気温は8度。下り坂で身体を動かしていなかったのもあって本当に寒い。パールイズミコールドブラックタイツも性能を発揮していて尚更寒い。そしてこの先の野辺山に向けて標高が上がる(さらに気温が下がる)ことを考慮し進むべきか悩んでいると「佐久平駅はこっちだよ~」という悪魔の誘い(ただの標識)が目に入りおしまい。
スタッフさんにDNFの連絡を入れているとAR中部600 甲州上州征伐のお友達数名とスライド。頑張っている彼らを見ていると自分ももう少し頑張れたんじゃないかなと思った。

■ まとめ
雨降らないって言ってた天気予報が悪い、と思ったけどおそらく少しくらい天気が悪くても出走してた。ということは雨に備えた装備を怠った自分が原因だしよくよく考えれば 600km も走るのにランドヌールが雨を呼ばないわけがない。
リザルトを確認すると48人出走でDNFは15人なので、特にDNF率が高いわけでもなさそう。メカトラでもないし身体の調子も悪くはなかったので改めて自転車はメンタルのスポーツなのを実感。強くなりたい。

3分の1しか走ってないけど、このコースは正当な山岳コースで山場は前半の300kmに集約されてると思うのでアオバヒドクナイであり来年も開催されるのであればしっかりと準備して再チャレンジしたい。
VCR横浜あおばのスタッフさんお世話になりました。

走行距離:222.03 km
走行時間:9h 51m 23s
平均移動速度:22.5 km/h
獲得標高:2330 m

(*1) 調査の結果今までの雨ブルベ率が 50% なのでシャーマンは己自身なのではという説もある。

 

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