養分

試練与えては試す神たちをいつの日か超えてゆける

BRM602横浜あおば600 伊那 その2

crumblingdn.hatenablog.jp

これの続き

 

■ 信州健康ランド ~ 通過チェック サークルKサンクス駒ヶ根北原店 366.4km
目が覚めると午前3時。この健康ランドは3時以降に追加料金が発生するのもあって、3時には出発するつもりだったのになぜ出発時間に目覚ましをかけたのか疑問を覚えつつ準備をして3時半に出発。がっつり6時間滞在できたので寝たりない気持ちが強い以外は問題なく、とりあえず脚もちゃんと動きそう。欲を言えばあと6時間くらい寝たい。
実は健康ランドのバーチャルクローズが2時45分くらいなので45分オーバーしていたのだが、この時は全く気付いていなかった。知ってたら焦っていたと思われるので逆に良かったのかもしれない。

寒いのでウインドブレーカーを2枚着込む。たぶん一番下がったのが15度くらい。ウォーミングアップ代わりの善知鳥峠をクリアし辰野から天竜川と飯田線沿いを南下する。無人駅やコンビニを通過するたびに横目で確認するとランドヌールの抜け殻が転がっていたりして面白い。他にも走っている方がいることを認識すると安心感も生まれる。
途中でR153から1本隣に逸れると、交通量と信号がほぼ皆無の道になり、朝焼けに照らされる駒ヶ岳を眺めているといつの間にか通過チェックのコンビニが見えてきた。この区間50km以上あるのにネット速度とグロス速度がほぼ同じでかなり時間を稼ぐことができた。というか45分オーバーだったのが45分の貯金になっている。信号少ない道は永寧。

■ ~ PC5 ファミリーマート石和松本町店 478.4km
通過チェックコンビニでは反射ベストが死屍累々という感じだった。第三者視点だとどうなのという話はあるけど、午前6時に田舎のコンビニでこんな光景が見れるのはサバイバルブルベっぽくて面白い。自分はしっかり休めたので元気~と思っていたがキューシートをゴミ箱に捨ててしまう(出発前に気付いて救出した)程度には疲れていた。
応援に来たくださっていた地元の方の声援を受けリスタート。この辺の自転車事情なども聞けて気分転換になったし、知らない人でも応援は力になる。
少し北上すると進路は東を向き、天竜川を渡ると杖突峠へのアプローチが始まる。高遠を過ぎると文明が乏しくなり集落を繋ぐ田舎道に入るが、斜度は3%ほどで一向に斜度が上がっていく気配がない。先ほどの地元の方が「杖突峠は大したことないですよ」と仰っていたのを思い出し、本当に大したことないのかもと思っていると集落が途切れどんどん斜度が上がる。信州峠に比べたらまだ楽だけど大したことあるやんけ~と思いながらクリア。自転車乗りの言う「大したことない」「そうでもない」「下り基調」は鵜呑みにしちゃいけないのを忘れていた。
下りは噂に違わぬ路面の悪さ。段差の振動で手が痛くなるくらいだったけどとりあえずはノートラブルで茅野に到着。ここからは昨日ぶりのR20に入り、すぐに富士見峠への登りが始まる。茅野側からは斜度も緩いし標高差もあまりないので、今回のコースでは特に気にするポイントじゃないと思っていたが向かい風と眠気で全く踏めない。たまらず途中のコンビニに入りバナナとレッドブルを投入したが目を凝らすと富士見峠はすぐそこの信号だった。というかコンビニが「富士見店」の時点で気付くべきだった。
下りに入り、山梨県に入ったことを示す看板を通過しても向かい風は変わらず、長い下りで楽をしようと思っていた目論見が外れる。仕方がないので減速しない程度に回すが、なんで下りなのに頑張ってるんだろうと考えるとだんだんテンションが下がってきた。双葉でR20を外れ甲府盆地の北端を走り、甲府市内の自転車は車両と思われていないような扱いに耐えつつPCに到着。
気持ちはだいぶつらくなってきたけど身体はまだ大丈夫そう。

■ ~ PC6 セブンイレブン山中湖旭ヶ丘店 523.6km
ガンガン陽射しが照り付け暑い。気温は30度近くまで上がっていて、インナーを脱いでアームカバーに替えるが2枚重ねで来ている半袖ジャージも1枚にしたいくらいには夏。今朝凍えてたことを考えると数時間後に冷凍ペットボトルを背中に突っ込むことになるとは思っていなかった。
PCを出て数km進み御坂みちに入ると、早くも富士五湖界隈に向けた上りが始まる。斜度は常時ほぼ5%でプロフィールだけ見れば今回のコースでは普通なんだけど、はるか先まで見通せる直登で心を折られ、隣を高速で飛ばす車に精神を削られ、照り付ける陽ざしに体力と水分を奪われる極悪設定。日陰は全くない。やっとの思いでピークの新御坂トンネルに着くと今度は路肩が狭すぎて生きた心地がしない。今まで橋やトンネルで恐怖を感じたことはなかったけどここは流石に…。御坂みちも含めて割と二度と走りたくない…
富士吉田市に入ると西東京 諏訪600とコースが被り始める。道志みち関東平野に戻るのは同じだが、山中湖北側を走る西東京に対してあおばのコースは南側なので、5kmほど一緒に走った方とお互い残り気を付けましょうね~とエールを送り合って別れる。ブルベは基本的のソロで走るものだと思ってたけど1日目同様やっぱり誰かがいた方が安心するかもしれない。

■ ~ Goal 大丸公園 601.9km
行楽日和なこともあって山中湖畔のPCコンビニは大盛況。反射ベストのお友達もたくさんいて、皆口々に死んだ顔をして御坂みちへの呪詛を呟いていた。
ここから先は山伏峠を越えてしまえば道志みちを下るだけ、神奈川県に入って月夜野と鳥屋の上り返しをこなせばもう厳しい上りはないと思うと残り80kmもそんなに苦じゃない。アオバはヒドイけどラストが下り基調なところはやさしい。
…と思っていたけど590km走ってからの尾根幹が本気でつらかった。2日間散々上ったので相当負担はかかっていたのは分かっていたが、相模原あたりから痛みが出始めた尻は尾根間に入るころには座っているだけで燃えるような感覚。尻に火が付く(物理)とはまさにこのことか。体重がかからないように下ハンとダンシングを交えて進むが平地でも20km/hしか出ず、尾根幹ごときで太腿の裏が攣りそうになる。
それでも日が沈む前には無事に大丸公園に帰着。到着した安心感でハンドル操作を誤り公園の水場に突っ込みそうになった。

 

■ まとめ
600kmブルベが関東だけで5本も開催されているのが嘘のように天気に恵まれた2日間で、雨に遭うこともなく無事に完走することができた。1日目はワイワイ会話しながら走れたし、2日目の寒暖の差が激しかったのも多めに持って行った上着でなんとか対処できたので、振り返るとつらくもあり楽しかったブルベ(御坂みちを除く)だなという感想。初めての600km完走がこんなコースになるとは思わなかった。
今回は結果的に休憩時間を長めにとって移動を頑張る、というロングライドのセオリーとは逆のことをやってしまい非効率なことしてるなという気持ちはあったけど、時間内に帰ってこれたし気持ちに余裕が持てたのでファストランじゃなければこれでいいのかもしれない。しっかり休めたので身体の調子がよく、普段は発生しがちな胃が荒れたりだとか心拍が150から上にいかなくなるということもなかった。
あと攣りかけている時に芍薬甘草湯をくださった方が2人もいて本当に助かった。
「ありがとうございます!なんか効いてきたような気がしてきました!」
「プラシーボですよ」
「渡した側がそれ言わないでください笑」
のやり取りを2回もするとは思わなかった。本当にありがとうございました。
間奏直後はボロボロだった身体も2日経ったら元に戻り後遺症もナシ。雨が降らなければそこそこ激しいコースでも走れるという自信にはなったけど、わざわざこういうブルベに出てしまう辺り本当にマゾなんだと思う。
VCR横浜あおばのスタッフの皆様お世話になりました。

走行距離:603.26 km
走行時間:25h 06m 49s
平均移動速度:24.0km/h
獲得標高:7182 m

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