養分

試練与えては試す神たちをいつの日か超えてゆける

グランフォンドKOMORO 2018

www.gfkomoro.com

山奥にオタクがたくさんいると楽しい。

 

5/13 に開催されたグランフォンドKOMORO 2018に参加しました。
同一コースでスタート地点が異なる(小諸、軽井沢、嬬恋)3つのイベントが同時開催で総エントリー数は1000人超えの大きなイベント。

 小諸発の参加者はこんな感じオタクジャージの着用が推奨されている、というかオタクジャージで走りたくて小諸スタートを選択していると思われる。まあ拙者はオタクではござらぬ故オタクジャージでは走っていないし、参加費に5000円程度上乗せするとキャラクタゼッケンにコラボTシャツがついてきたり完走証が作品使用になるオプションなんか申し込んでいないでござるよ。

 

■ 前日祭
山だらけだけど当日走るのは100kmだし大丈夫でしょ、という軽い気持ちで小諸まで自走。この10日ほど前に軽井沢まで走っており、大体同じ道を通ったのであんまり楽しくなかった上に、前日受け付け会場兼スタート地点の信州青少年の家が標高1000m、しかも会場へのアプローチが常時1桁台後半の厳しい斜度で完全に脚をやられてしまった。
前日祭自体は全員に行き渡っても景品が余る謎のビンゴ大会やトークショー、物販コーナーなどがあってとても楽しかったんだけどマジで翌日は知りたくないと思うほどには疲れてしまった。しかもホテルの標高が650mで、翌朝いきなりスタート地点まで350mも上らないといけないことに気付いてしまう。ホテルから500mほどの距離にあるコインランドリーに行くのにも割と激しい坂があって、小諸は自転車に向いてないのでは…と思ってしまった。

■ スタート前
起床即ウォーミングアップ7%登坂が始まる。5kmに30分以上かけて相当ゆっくり走ったがつらいものはつらく、隣を抜いて行くのは自転車を積んでいる車ばかりで、お金払うから乗せて行ってくれないかという気持ちでいっぱいになった。
開会式には小諸市長や長野県議会の議員さんがいらっしゃってて、このイベントに対する主催側の気持ちが見えた気がした。小諸は好きな町なんだけどもう少し坂を少なくしてくれ市長さん…

■ スタート 信州青少年の家 ~ 第1エイド 軽井沢 千ヶ滝温泉 16.3km
ブルベと一緒で着順は関係ないしタイムも出ないんだけど、大人数で公道走るのがアレなのとエイドが混む、雨が降る前に帰ってきたいので前目で展開。
この区間は1000m林道と呼ばれる山裾の道で、時折南側に開ける眺めのいい景色と車がほぼ通らないのが良かった。林道と名前が付いているだけあって舗装は少し荒れていたけど交通量とトレードオフという感じで、適度なアップダウンをこなしながら軽井沢へ向けて楽しいサイクリング。途中で小径車を駆る三宅大志先生を見かけたが力強い走りをされていた。

第1エイドはたい焼き。どう見ても冷凍のヤツだったけど、テンションが高くて何食べてもおいしいモードだったのでおいしかった。単純な人間で良かった。

■ ~ 第2エイド 浅間ハイランドパーク 27.8km
ここからは上り、というかエイドをスタートした瞬間にインナーローに落とさざるを得ないレベルの壁が出現して心を折りに来る。このあたりからサイコンの高度計がおかしくなり、目視で明らかに10%はある坂でも3%ほどの値を示すようになってしまった。今日一番欲しい機能なんだけど…仕方がないので心拍で適当に調整しながら進むことに。
R146に入り北軽井沢への坂を上る。下ったことはあるけど登るのは初めて。時折浅間山が視界に入るがとりわけ景色がいいわけでもなくなかなかキツい。途中で追いついてきたなつまち檸檬先輩ジャージの方と談笑しながらなんとか登頂。「平地ばかりのところに住んでるので山は遅いんですよ~」と仰っていたが少なくとも自分よりは速いし大体の人間は平地に住んでいるのでは…と突っ込みを入れた。
鬼押ハイウェーとの分岐点でピークを迎え下りに入るとすぐに第2エイドの浅間ハイランドパーク。ここではバナナとチーズとエナドリをいただいた。チーズは自転車乗ってる最中に食べるにはちょっともったいない高級品とのことなので背中に刺す。

■ ~ 第3エイド 東海大学嬬恋高原研修センター 57.4km
エイドを出発して再び進むとコースはR146を外れ北軽井沢の別荘地に入った。が、現在地がよくわからない。分岐点にはわかりやすい看板や係員さんがいらっしゃるので道を間違えることはない(フラグ)んだけど、それもあって事前の地図読みを全くしていなかったため現在位置どころか東西南北どちらを向いて走っているのかすら見当がつかない。行き先は嬬恋村だしまあ多分北に向かっているんだろうと思いながら謎の森を淡々と進む。緑に囲まれ適度にアップダウンがあるのは気持ちがいいんだけど路面の舗装が加太ダートレベルにひどいところが何か所かあって気を遣った。急にグラベル気味になる。
途中でR144に合流し「このまま進めば吾妻線沿いに進んで渋川だな」と考えていると順路はすぐに国道から外れ山中に突入してしまった。途中に小さな集落があって、その集落の外れにミニエイドを発見。ここではエナドリのみの提供で、15kmくらい前に飲んだばかりだけどとにかく提供されるものは全部いただくぞの精神で飲む。
しばらく同じパックで走っていた(クソ速くて千切れないように必死で付いて行ってた)なつまちイチカ先輩ジャージの方に「これくらいの斜度だと楽ですね~」と声をかけられたが「や、キツいです…」と返答して無事に千切れる。この方はイベント前日に地蔵峠を2回登ったらしく格の違いを感じてしまった…5%超えてる(多分)のにずっとアウターで走ってるのおかしくない?
軽い雨に打たれつつしばらくは一人旅。車が通らないだけで景色もよくないし完全につらいの気分になりながら無心で脚を回していると急に目の前の視界が開けた。

嬬恋村の平原?が一望できる素晴らしい景色。ただし左を向くとソーラーパネル畑なので若干台無し感がある。

ピークから少し進むと第3エイド。受け付けにはボランティア?の学生さん、建物内は箱根駅伝の歴代記録のポスターみたいなのがいたるところに飾ってあってこんな僻地で合宿してるんだなあという気持ちが生まれた。周りに何もなさ過ぎて練習に身が入らざるを得ない。この辺りから軽井沢発組に追いつき始め急いだ意味がなくなってきたことに気付く。
ここでは炊き込みご飯とお味噌汁に漬物。急に朝ごはんになったけど素朴さが身に沁みる。

■ ~第4エイド 湯の丸高原ホテル 76.9km
しばらくは嬬恋パノラマラインからのいい景色を眺めつつ下り基調の道。
10km程度進んで上りに転じると湯の丸高原スキー場というか地蔵峠への登りが始まる。序盤から割とパンチのある斜度でサイコンは2%とおかしな表示をしているが緩くて5%、きついところでは10%は超えているであろう坂が続く。視界にはたくさんの参加者が見えるが半分くらいの人は自転車を押していて、自分も仲間に混ざりたい気持ちに駆られるが雨で身体が冷えてしまいそうなので頑張る。ラスト500mくらいは1ケイデンスごとに気合を入れないと進まないほど厳しく、エイドまで残り○mと書かれた看板だけど心の支えにギリギリ登頂。個人的なライドでは絶対上らないリストに地蔵峠がインしました…箱根旧道じみてる。

■ ~第5エイド 菱野温泉 薬師館 97.7km
湯の丸高原スキー場のレストハウスは参加者でごった返していた。みんな口々に寒いと言いながら温かいカレーを食べている。デザートは砂糖をまぶして食べる檸檬シャーベットで、これがものすごく上品な味だったが外気温のことを考えると食べない方が正解だったのかもしれない。
食事を済ませて外に出ると死ぬほど寒い。天候と標高が相まって気温は10度を下回っていて、屋台で温かい甘酒をいただいても全く体が温まる気配がない。コールドブラックタイツを履く天候ではない。
ここから標高差800mの雨天ダウンヒルは凍死確定なんだけど待ってても身体が冷えていずれ死に至るので意を決して下りに入る。下り始めて3秒でもうクソ寒い。下るにつれて雨が弱まって行ってる感はあるけど路面は完全に濡れているのでブレーキングが厳しく、握力が試される。というか地蔵峠こっち側から登るのも嫌だな…

麓に降りると雨は上がり路面は乾いて一安心。ただ、浅間サンラインでは歩道を走るよう指示があって交通量のことを考えるとそうさせたいのは分かるんだけど歩道の路面はボコボコだったのでこれは次回に向けて改善してほしいポイントかもしれない。

浅間サンラインの区間は数kmで終わり。横道にそれるとラスボスの菱野温泉への激坂(2.5km/7%)に入る。公式サイトに「菱野温泉の激坂をクリアせよ!」とか書いてあるしやべえんだろうなと思っていたがエイドが近付くにつれて容赦なく斜度が上がっていく。エイド手前の最激坂区間(斜度15%)ではスタッフさんが「あと少し!頑張れ!」と応援してくれているがあと少しなのは自分の残存体力である。前輪浮きそうになるし後輪の加重抜くと雨で空転するしもうどうしたらいいか分からなかったけど気合で攻略。こんなところでも斜度計は5%ほどを示していて、まあ実際の値見たら脚付いてた気もするので壊れてて良かったかな?(よくない)

最終エイドではイチゴと和菓子とお稲荷さん。結構雨が降っているのに特に蓋とかをしていなかったようで和菓子はものすごく湿気てたけどそんなことは全く気にならないくらい坂がつらかった。


■ ~ゴール 信州青少年の家 100.2km
菱野温泉は雰囲気の良さそうなところだったけどどんどん雨が強くなってきたのでさっさと移動。次は泊まりに来たい。
残すところは2.5kmで、ゴールとの標高差はないので10分もかからずにつくだろうと思っていたがクソ係員さんに嘘の道を教えられて無駄に2km標高差150mの上り下りをする羽目になる。人権が無さ過ぎて正しい道も案内してもらえない。
あまりにも下り坂が続くので途中でおかしいことに気付いて引き返し、同じく誤誘導されたオタクを2人ほど回収してワイワイ文句を言いながら大雨の中を上り返す。1人だったら完全に心が折れてた…

正規ルートに復帰するとすぐにゴールで無駄にオタクらしいオチが付いてしまったがまあ知らないオタクと話すのも楽しくてゴール後互いに健闘を称えあうことができたのでその点では良かった。
ゴールでは野沢菜入りの蕎麦とジェラートがふるまわれていたが、ジェラートを注文している人はいなかった。まあ気温15度で雨降ってるしね…

■ ~佐久平駅
モテイクの皆さんと談笑しながら温かいそばをいただいてすっかり身体が落ち着いてしまったが、ここにいると冷える一方なので佐久平駅までの10kmダウンヒルに挑む。リムまで水没レベルで雨がヤバい。預けていた大型サドルバッグを装着してコントロールが難しくなったのと交通量の多さを加味すると地蔵峠の下りより神経を使った。プリウスには自転車が視界に入るとクラクションが鳴る機能が付いている。
佐久平駅に着くころには水がかかりすぎて逆にリムのブレーキ踏面が綺麗になっている現象が起きていた。

■ まとめ
交通量の少ないところを走っていい景色を見てご飯をいただくだけでも楽しいのにオタクだらけということで大変満足なイベントだった。ノーサポートが原則のブルベに慣れているので、地図読みをしなくて良かったり(誤誘導されたけど)道中がっつりもてなしを受けるのがとても新鮮。その分参加費は高いけどこれはこれで良い。また次回も参加したいという気持ちが強いけど、帰りの輪行が地味につらかったので今度は絶対車で来るぞという思いがある。
スタッフの皆様お世話になりました。

走行距離:104.05km
走行時間:4h 59m 17s
平均移動速度:20.9km/h
獲得標高:2654m

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