養分

試練与えては試す神たちをいつの日か超えてゆける

BRM722横浜あおばスーパー400 麦草

www.vcraoba.yokohama

f:id:cacao_pero:20170731004733p:plain

スーパーヒドイ

■ ~ Start 大丸公園
新車(CANYON Ultimate CF SL 9.0)での初ブルベかつ初山岳コース。Ultimate が軽さを重視したフレームとは言え、いきなり峠に投入するのもアレなので前週に軽く碓氷峠で登りの感触を確かめに…行こうと思ったら暑すぎて熊谷の先でダウン。
ぶっつけ本番で山に投入することになった上に、ブルベ前日にサドルを変えたので大分アバウトなポジションになってしまった。バカなので。

そんな不安な気持ちでり大丸公園に到着するとたくさんのお友達の姿が。後でスタッフさんに聞いたところ、80人出走とのこと。トンデモランドヌールばかりだ…

ブリーフィングにて「復路は下り基調です」のスタッフさんの発言に一同苦笑い。「往路は獲得標高4000m、復路は2500mなので…」と補足があって、まあ折り返し地点の標高が1500mくらいだから理論的には合ってるなあと思いつつ自転車乗りの「下り基調」発言は信用してはいけないなあと再認識。

 

■ Start ~ PC1 セブンイレブン小鹿野バイパス店 (89.5km)
砂川、箱根ヶ崎を経由するいつものコースを淡々と進み、飯能河原から名栗を抜けて山伏峠を越えていく。
初体験の山伏峠(4.2km / 6.6%)は距離、勾配がちょうど良く、峠らしい雰囲気(展望はよくない)かつ飯能側は路面も綺麗で人気が出るのも納得。アプローチの名栗川沿いも信号が少なくて気持ちよく走れた。でも自宅から行こうとするとちょっと遠い。

 峠にたどり着くとこんな掲示が。あと341km!とか言われても距離感がわからない。励まそうとしているのか心を折りに来ているのか…

山伏峠を下りながら「このコースはまだ峠を7つ残している…その意味が……」といった天の声が脳内でハウリングし始め、そこそこ踏んでしまったことを後悔。
暑さに堪えかね秩父で休憩したりめんまを発見しながらPCに到着。

今回はコンビニで売ってる冷凍ペットボトルドリンクを背中に突っ込むヤツを試してみた。クーリッシュより冷却持続時間が長いのでこっちの方がいいかもしれない。難点はデカすぎて入れ方を考慮しないと首が起こせない、ペットボトルなので走りながら飲むのが大変、飲み終わってからの処理が少しめんどくさい、といったところ。

ちなみにこのコースは山伏峠を下って正丸トンネル入り口でR299と合流、折り返して戻ってくるまでの実に270kmの区間がR299なのでとてもわかりやすい。この先のコースも登りと下りしかなくてわかりやすい……

 

■ PC1 ~ PC1.5 道の駅上野 (121.8km)
小鹿野の街を抜けていくと、気が付けば周囲からは建物がなくなり、志賀坂トンネルへのアプローチ(5.8km / 5.7%)に差し掛かっていた。
こちらも序盤は1~2%の軽い登り、本格的な峠区間に入ってからはヘアピンで高度を稼ぎながら登るタイプで、交通量が少なく路面も綺麗だったので山伏峠と似たような雰囲気を感じた。

f:id:cacao_pero:20170731021803j:plain
やっぱり貼ってあった。奥ではスタッフさんによる給水ポイントが。有りがたい。

ぼく「結構キツかったんですけど、これでウォーミングアップっておかしくないですか!?」
スタッフさん「でも身体あったまったでしょ?」
ぼく「や、あったまるとかじゃなくて暑いです…」
十国峠や麦草峠と比較したら本当にウォーミングアップだった

志賀坂峠を下ると、群馬県に入り神流町から上野村へ。The 田舎みたいな雰囲気の中を順調に進んでいると、個人的休憩ポイントに設定していた道の駅に到着。PC1の2km先にあるコンビニ(復路の通過チェックにもなっている)からPC2までの70kmの間にコンビニが全くなく、反射ベストのお友達も多数休憩していた。というか少なくとも自分が休憩している間にここをスルーしていった人はいなかったような気がするので、実質通過チェックみたいになっていたのかもしれない。

 

■ PC1.5 ~ PC2 セブンイレブン佐久穂店 (162.3km)
ここからは1級山岳十国峠(15.2km / 4.9%)。国道なのに落石だったりで通行止めになることが良くある魔境。ブルベ前日まで落石通行止めだったらしい。
そんなところ通りたくないよと思いつつ、逃げるわけにもいかないので前進。砂は浮いてて当たり前、こぶし大の落石多数、全線ほぼ1車線で車のすれ違いが可能な箇所は稀、ついでに携帯電話は圏外で助けも呼べないので、アクシデントがあったら本当にヤバい。

整備されていないだけあって木々の生い茂り方も半端なく、木陰の中を走ることができたので暑さにやられることはなかった。が、やっぱりこれだけの斜度が15kmも続く上に木々の切れ目からも木しか見えず本当につらい。BTスピーカーから流れるオタクソングで気を紛らわすくらいしかできない。

高度計の表示が1300mを越え、だんだん空が開けてきた頃にようやく十国峠に到着。ここにも例のものは貼ってあったようだけど気付かずにそのまま気持ちよく下って行ってしまった。
その下りで蓋なし側溝に突っ込んでしまい落車。真っ先に確認したのは買ったばかりの自転車。バーテープ、後輪のクイックリリースとホイールが軽く傷付いたくらいで良かったが、ダンシングができなくなる程度に左手を痛めてしまう。
こんなんで残り250km、しかも麦草峠なんて登れるのか…とテンションがどんどん下がりながらPCに到着。10分程度遅れて入ってきたお友達は峠からの下りで大雨に遭遇したとのことで、全身ずぶ濡れになっていた。

 

■ PC2 ~ 折り返し通過チェック (200.7km)
超級山岳麦草峠(25.1km / 5.3% / 標高差1330m)
5%台という斜度だけ見るとそうでもなさそうな感じがあるが 25km も登りが続くのは拷問で 1300m も登るのは頭がおかしいのではと思ってしまう。

f:id:cacao_pero:20170731022408j:plain
麦草峠はこんな感じで標高100mごとに看板が立っていて、ここにもスタッフさんお手製の掲示が貼ってあった。序盤はこれに励まされ次の100mも頑張るぞ的な気持ちになり、休憩がてら全部撮影しようかと思っていたが標高1300mほどまで登ったあたりで降り始めた雨は間もなくどしゃ降りに。川のようになった道路を遡上し「俺たちゃシャケだ…」と死んだ魚の目になりながら、3時間かけてなんとかピークに到着。脚も痛いけどやっぱり手が痛い。
ちなみに登り始め 10km 程のところで先頭らしき方とスライド。あの、60km も差が付いてるんですが…

 大雨とか落車の影響であまり達成感がなかった。というかまだ半分も走ってないから達成感が湧かないのが普通なのかもしれない。

ピークから10km下って折り返し。気温を確認すると20度を切っていた。自分はレインウェアを着ていたので少し寒い程度で済んだが、寒さに耐えきれずに折り返しポイントでそのまま茅野方面にエスケープした方もそれなりにいたらしい。

■ 折り返し ~ PC2.5 セブンイレブン佐久穂店 (238.9km)
折り返し通過チェック。ブリーフィングでは写真撮影との説明だったが、またしてもスタッフさんが待ち構えていた。スタッフさんが要所要所にいらっしゃるというだけでなんか安心感がある。
が、やはり鬼畜コース。麦草峠から10km、標高差500m下ってきたのをすぐに登り返さないといけない。

既に雨は上がっていたが体温が上がらず、レインウェアを着たまま登坂したがそれでも寒い。気温は20度を超えることはなく、再度麦草峠にたどり着いたころには辺りは薄暗くなっており、ウェットコンディションでの25kmダウンヒルが始まった。道は綺麗でカーブも緩いので難易度はそうでもないが、さすがにこの距離は長い。

完全に身体が冷えた頃にようやく下り坂が終わり、PC2に設定されていたコンビニに再度到着するとそこにはたくさんのお友達。またしばらくコンビニないので考えることは同じか。標高が下がり気温は28度まで上がったものの、みんな寒い思いをしてきたようで各々温かいものを食していた。自分もカップラーメンで暖を取ってからリスタート。

 

■ PC2.5 ~ 通過チェック ローソン小鹿野飯田店 (310.3km)
復路で一番つらかった十国峠。峠区間に入るまでは広い2車線道路を1%程度の斜度で高度を稼いでいくので快適といえば快適なのだが、雨上がりということで道路に大量の小さいカエルが出現していて踏まないように進むのが大変だった。というか何匹かはおそらく…ごめんねカエルさん。
区間に入ると時折10%ほどまで上がる斜度、道路に散乱した枝や石、なにか良くないものが出るのではというくらいの暗闇で音楽を流していても心細い。

なんとかピークにたどり着くと、今度は恐怖の下り。往路で登っている最中ですら「夜にここ下るのやだなあ」なんて思うくらいで、実際に下りが始まると思った以上の斜度に荒れた路面、ウェットコンディションで効きづらいブレーキで本当に怖かった。峠の反対側だけど往路では落車もしてるし…
下りだけど精神的に落ち着かないので何度か休憩し、ようやく上野村中心部の街灯が見えてきた時はかなり安心感が生まれた。人はいなくても人工的な明かりがあるだけで気分は全く異なる。

志賀坂峠は復路ではそんなに標高差がないので、ゆるゆる登ってまたダウンヒル。往路の場面で書いたけど秩父側は道も綺麗で街灯もあるので十国峠とは一転してこちらは楽しい下りだった。

 

■ 通過チェック ~ Goal 大丸公園 (402.2km)
ここまで来たらあとは秩父まで下り基調で進み、山伏峠を登れば終わり。まだ90kmあるけど。
眠気が限界を迎えてきたので道の駅で仮眠をとり、最後の峠を登る。山伏峠本体よりも秩父から正丸トンネルまでの登りの方が気持ち的にはつらかったかもしれない。夜中に走り屋が爆走している横を通るのは怖い。。

そんなこんなで東京都に入り大丸公園に到着。ゴールしてから気付いたけど自転車がこの世のものとは思えないくらい汚れていた。十国峠許さない。

ブルベ完走直後は達成感よりも、もうしばらく自転車には乗りたくない、早く帰宅して寝たいという欲求の方が強く、こうして当日の様子を振り返っている時にふつふつと達成感が湧いてきて、楽しかった思い出へと美化されていく感じがする。
来年も開催されたら走りたいか、と言われると現時点では首をかしげてしまうが、こんなエグいブルベも中々ないと思うので都合が合えば参加してそう。マゾかな(マゾだよ)

■ まとめ
・山伏峠、志賀坂峠はウォーミングアップ
・フロントインナー36Tは神
・カエルを踏んだ後のダウンチューブ裏は凄惨
・VCR横浜あおばのスタッフ様巡回含めてお世話になりました

走行距離:402.6 km
走行時間:20h 32m 26s
平均移動速度:19.5 km/h
獲得標高:6256m

f:id:cacao_pero:20170731022901p:plain